2020.07.04

今後の上映情報と監督よりご挨拶

【上映情報 】
●2020年9月19日(土)
本編上演と大藏親子による狂言『しびり』の上演、監督+大藏親子によるトーク。
今年3月1日に開催予定となっていた上映会です。前売券をそのままお使いいただけます。
●2020年10月(予定)
本編上演と大藏親子による狂言『しびり』の上演、監督+大藏親子によるトーク
【監督より】
映画『よあけの焚き火』を応援してくださっている皆様、また初めてこのHPをのぞいてくださった皆様
監督の土井です。
コロナウィルスによる深刻な事態が今なお継続しています。
皆様この期間をどのように過ごされたでしょうか?
私は「映画館で映画を観る」という観客の日常、「映画館で上映してもらえるような作品を作る」という作り手の願い、その双方が、この短い期間に一気に崩れ、新たな形に変わっていく、そんな思いがけない事態に直面し、自宅で静かに過ごしながらも落ち着かずにさまざまな事を考えた4ヶ月間でした。
その間には主演の大藏基誠さん、康誠君の大切な身内である大藏流狂言方、善竹富太郎さんのコロナウィルス感染による訃報にも触れました。
私自身は舞台でお見かけした事があるくらいで直接のおつきあいはありませんでしたが、『よあけの焚き火』本編では善竹家の方々に声の出演をいただきましたし、能楽の世界を勉強するほどに、家、というもの、そして血の繋がりの強さと大切さ、深さを教えてもらっていましたので、この映画で苦楽を共にした主演のお二人が富太郎さんの死をどれだけ悼んでいらっしゃるか想像することができました。
コロナによってもたらされたさまざまな事態をどう捉え、行動するか、為政者による指示待ちではダメなことはこの数ヶ月でみなさん一人一人がよく理解されている事と思います。
今回『よあけの焚き火』上映再開を私は大きな喜びを持って皆さんにお知らせします。しかしそこには解禁!といったような賑やかな思いはありません。
私が喜んで再開をご報告する裏には、今回お知らせする2つの上映会のそれぞれの主催者の方々が本来3月と5月に予定されていた上映と上演のイベント延期を大いに悩んだ末に決断し、その後今日に至るまで最良の準備をされてきたことを知っているからです。
今回横須賀と米沢(予定)で行われるこの2つのイベントは映画上映に加え狂言の実演も含めるという新たな試みのスタートでもあります。
演目の稽古を積んでくれていた大藏康誠君は3月、イベント延期の知らせに涙したそうです。若い康誠君が皆さんの前で狂言を披露することを楽しみにしていたこと、泣いて悔しがるほど真剣に狂言の稽古に取り組んでいることにとても大きな希望を感じます。
昨年までのように声を大にして「皆さん是非!」とは、言えません。今後の状況によっては開催がどのようになるかも今は判断できませんが、静かに、ただ、力強く「新たな始動」をご報告いたします。

引き続きの応援を何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年7月4日
土井康一

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