映画『よあけの焚き火』

2019年3月2日(土)より
ポレポレ東中野にて公開

公開記念イベント

  • 3月2日(土)監督、特別ゲストによる舞台挨拶
  • 3月9日(土)監督、主演 大藏基誠、康誠(大藏流狂言方)親子登壇決定!

第21回小津安二郎記念 蓼科高原映画祭 正式招待作品

最新情報

イントロダクション

「伝えること」

伝統芸能をモチーフに、「伝えること」という普遍的なテーマを昇華させた稀有な作品が誕生した。
主演の大藏基誠 (おおくらもとなり)・康誠 (やすなり) は、大蔵流狂言方の実の親子。映画初主演にして、自身を演じるという難役を果たした。共演にミュージシャンの坂田明、『幼な子われらに生まれ』で注目を集めた鎌田らい樹を迎え、それぞれが踏み出す一歩をみずみずしく演じている。

本作がデビュー作となる土井康一監督は、本橋成一、小栗康平の助監督をつとめ、テレビドキュメンタリーや人間国宝の記録映画でも受賞歴をもつ。
長野県蓼科の大自然を風格ある映像で捉えたのは、監督の恩師でもあるベテランキャメラマン、丸池納。
映像を彩る音楽に坂田学。そして製作を担うのは、祖父の代から記録映画を製作しつづけている村山憲太郎率いる桜映画社。
「伝えること」を描くにふさわしいキャスト・スタッフが集まった。

物語

家族の歴史を背負った少年

冬、父と息子は二人きりで山の稽古場へ向かう。六五〇650年の伝統をもつ狂言方の家に生まれた大藏基誠は、少年時代に父や兄と訪れていたこの場所に、10歳になる息子・康誠を初めて連れてきた。基誠は幼い頃を思い出しながら、父が自分にしたように、康誠に稽古場の掃除から手ほどきをする。しかし康誠は、ふだんより厳しさを増して接する父に戸惑い、稽古を投げ出しそうになる。基誠も自分のやりかたに、どこかもどかしさを感じ始める。

家族をなくした少女

そんなある日、近くに住む老人・宮下と、その孫・咲子が訪ねてくる。
数年前、災害で両親を亡くした咲子は、父親の故郷であるこの地に身を寄せている。狂言の厳しく真剣な稽古を目にした咲子は、自分より幼い康誠が懸命に稽古する光景に目を奪われる。

続いていくもの、途絶えるもの。
その先にあるのは―

山々が春の気配を帯びてきたある日、咲子に導かれて森に入った康誠がそこで目にしたのは、この森で何百年も生きてきたであろう巨木と、その圧倒的な生命力の下で静かに朽ちていく命の姿だった。
続いていくもの、途絶えるもの・・・巨木の下、康誠は初めて咲子の深い悲しみに触れる。
自然という大きな時間の流れ、連綿と続いてきた狂言の伝統世界、今ここにいる自分たち。
それぞれの心に、小さな決意が生まれ始める。

予告編

キャスト

大藏基誠

おおくらもとなり

大藏基誠

1979年、東京に生まれる。能楽師狂言方大藏流、25世宗家大藏彌右衛門の次男。
4歳8カ月で初舞台(「以呂波」)を踏み、今日までに「末広がり」「那須の語」「千歳」「三番三」「釣狐」「花子」を披く(ひらく)。小・中・高校に出向いて学校狂言を展開し、若い世代に伝統芸能の楽しさを伝える。

大藏康誠

おおくらやすなり

大藏康誠

2008年、東京に生まれる。能楽師狂言方大藏流。大藏基誠の長男。25世宗家大藏彌右衛門の孫。
4歳7カ月で初舞台(「以呂波」)を踏む。父・大藏基誠のもとで日々稽古に励む。狂言のみならず、役者、ナレーション、モデルと、幅広く活動して今後の成長が期待される。

鎌田らい樹

かまたらいじゅ

鎌田らい樹

2003年、東京に生まれる。
『さざ波ラプソディー』(15)の黒井マセコ役、『カノン』(16)の岸本紫(幼少期)役に出演。『幼な子われらに生まれ』(17)の沙織役で注目を集める。近年ではひかりTV・dTVチャンネル「拝み屋怪談」シリーズに福島加奈江役として出演。

坂田明

さかたあきら

坂田明

1945年、広島県呉市に生まれる。広島大学水畜産学部水産学科卒業。
1969年上京、グループ「細胞分裂」を結成。1972年から79年末まで山下洋輔トリオに在籍。80年、自己のトリオを結成。以後、Wha-ha-ha、SAKATA Orchestra、SAKATA Sextetなどさまざまなグループの結成・解体を繰り返しながら音楽シーンの最前線を走る。

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スタッフ

土井康一

土井康一

監督・脚本・編集

1978年、神奈川県生まれ。自由学園、多摩美術大学卒業。写真と映画という2つの方法で独自の作品を手がける本橋成一に師事し、『バオバブの記憶』(08)などの助監督をつとめる。
2009年より桜映画社にディレクターとして勤務。小栗康平監督『FOUJITA』(15/監督助手)、文化庁工芸技術記録映画『彫金』(17)、『蒔絵』(18)で教育映像祭優秀作品賞、国際短編映像祭映文連アワード部門優秀賞受賞。テレビ東京『ガイアの夜明け』『カンブリア宮殿』などのテレビ番組やCM、プロモーションなど、多くの作品を手がけている。

丸池納

丸池納

撮影

1948年、徳島県生まれ。1972 年より、撮影監督の姫田真左久に師事。日活撮影所契約撮影助手として映画界入り。 その後フリーとなり、根岸吉太郎監督『ウホッホ探検隊』(86)で撮影監督デビュー。
小栗康平監督『眠る男』(97)(モントリオール世界映画祭スペシャルグランプリ、ベルリン国際映画祭国際アートシアター連盟賞受賞)で、第1回東アジア映画祭最優秀撮影賞、第 51 回毎日映画 コンクール撮影賞、第 50 回日本映画技術賞撮影賞を受賞。
主な作品に、『絆・きずな』(98/根岸吉太郎監督)、『ノーライフキング 』(89/市川準監督)、『怪盗ルビィ』(88/和田誠監督)、『さくらんぼ 母ときた道』(08/張加貝監督)、『ミッドナイト・バス』(18/竹下昌男監督)などがある。
平成30年度文化庁映画賞 映画功労部門(映画撮影分野)を受賞。

三重野聖一郎

照明

主な作品に、『ゼブラーマン』(04/三池崇史監督)、『WARU』(06/同前)、『探偵物語』(07/同前)、『アントキノイノチ』(11/瀬々敬之監督)、『シャニダールの花』(13/石井岳龍(聰亙)監督)、『ソレダケ/that’s it』(15/同前)など。

北村峰晴

録音

北海道生まれ。1971年日活撮影所入社、録音助手として『野性の証明』(78/佐藤純彌監督)、『太陽を盗んだ男』(79/長谷川和彦監督)に参加。1985年、崔洋一監督『友よ、静かに瞑れ』で録音技師デビュー。
主な作品に『無能の人』(91/竹中直人監督)、『月はどっちに出ている』(93/崔洋一監督)、『GONIN』(95/石井隆監督)、『花と蛇』(03/同前)など。
『東京日和』(97/竹中直人監督)で日本アカデミー賞優秀録音賞受賞。

吉野章弘

美術

1970年、神奈川県生まれ。1993年、円演劇研究所演出部に入所。舞台監督助手として演劇集団円の公演に就いたのち、フリーの舞台美術家として多方面の公演に参加。
主な参加舞台公演に、演劇集団円『藍ノ色、沁ミル指ニ』(18)、劇団ヘロヘロQカムパニー『舞台版・無限の住人』(18)、クロジ『いと恋めやも』(18)、日穏-bion-『星の砂』(18)がある。本作が初の映画美術作品。

坂田学

音楽

1973年生まれ。ドラマー、音楽家。
父はサックス奏者の坂田明。幼少期にピアノを習い、10歳でドラムを始める。93年米国へ音楽留学。帰国後、ドラマーとしてキャリアをスタート。ポップスからジャズまで、プレイスタイルは幅広い。ピラニアンズ、ポラリス(2005年脱退)などのバンド活動を経て、2004年、ドラム以外の楽器も使ったソロ・プロジェクトを始動。2005年、3枚のインスト・アルバムをリリース。2006年、芝居、ファッションショーの音楽を生演奏。2017年にリリースした『木の奥』では、シンガーソングライターとしての一面も垣間見える。『よあけの焚き火』で、自身初の映画音楽を手がけた。

公文健太郎

スチール

1981年生まれ。写真家 。ルポルタージュ、ポートレイトを中心に雑誌、書籍、広告で幅広く活動。 同時に国内外で「人の営みがつくる風景」をテーマに作品を制作。近年は日本全国の農風景を撮影し「耕す人」と題して写真展・写真集にて発表。その他作品多数。2012年「ゴマの洋品店」で日本写真協会新人賞。
写真集に『大地の花』(東方出版、2016年)、『BANEPA』(青弓社、2010年)、『耕す人』(平凡社、2016年)、写真絵本に『だいすきなもの』(偕成社、2007年)、フォトエッセイに『ゴマの洋品店』(偕成社、2010年)などがある。

桜映画社

製作

1955年創立。「母と子の桜映画社」といわれ、『お姉さんといっしょ』でベネチア国際映画祭(児童劇部門)のグランプリを受賞。
草創期は、劇映画、保健衛生や社会教育映画が中心だったが、その後芸術・文化、医学・自然科学、産業・広報、アニメーション、テレビCMまで幅広いジャンルで1,000を超えるフィルモグラフィがある。
特に「文化映画の桜映画社」として古典芸能、伝統的な習俗や祭りをはじめ美術や工芸作家の技と人となりを描いた作品では、他の追随を許さないプロダクションとして64年の歴史があり、創業者の村山英治から次男の英世、英治の孫である本作プロデューサーの村山憲太郎に代々受け継がれ、現在に至っている。
映像をつくることで人をつないできた桜映画社が、『よあけの焚き火』で伝統芸能と親子を新たな視点で問いかける。

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